最初のViewpointは、Cocktailzのミッションについて書いていきます。
"mission"を辞書で引くと、「使命」という意味が出てきます。
「使命」は「やるべきこと」「果たすべき役割」といえます。
つまり「Cocktailzのミッション」とは、「Cocktailzが、ウェブアクセシビリティの分野で果たすべき役割」ということです。
Cocktailzの立ち上げを計画していたころから、実現したいことが2つあります。
- ウェブに関わる人々が集い、議論しあえる"場"を作りたい
- 障害を持つウェブアクセシビリティの専門家を増やしたい
ウェブに関わる人々が集い、議論しあえる"場"を作りたい
これまで行ってきたウェブアクセシビリティの仕事の中で、こんなことに気がつきました。
- パンくずリストの意味や使い方を知っているユーザーはとても少ない
- ブロックスキップは便利だけど、ページ内リンクに対応していないスクリーンリーダーがあるために利用できない人がいる
ウェブアクセシビリティという言葉が出てきてから10年以上が経ちます。上に挙げた「パンくずリスト」や「ブロックスキップ」はこの10年の間に、アクセシビリティの研究者やデザイナーによって考案されたものです。しかし、実際にはうまく使われていない。
なぜこのような切ない問題が起こるのでしょうか。
私は次のように考えています。
アクセシビリティに関わるデザイナー、プログラマー、研究者、支援技術ベンダー、熱心なユーザーたちは確かに多くの試行錯誤を繰り返し、すばらしいアイデアをカタチにしてきた。しかし、これらの試行錯誤はバラバラに行われてきたのではないか。ウェブに関わるこれらの人々が集い、お互いの想いや試行錯誤の跡を議論しあえる"場"があれば、このような問題は解決できるのではないか。
そこでCocktailzでは、イベントや勉強会を通じて、上記のような場を創っていきます。
障害を持つウェブアクセシビリティの専門家を増やしたい
ウェブアクセシビリティを日本中に広め、さらに根付かせるためには、障害当事者が自ら知識や技術を身につけ、自ら提案をしていくことが欠かせません。しかし現状では、アクセシビリティを仕事にしている障害者はとても少ない。
自分たちの道具は自分たちで創り、維持し、より使いやすくしていく
このような考え方のもとに、Cocktailzでは、障害を持つアクセシビリティの専門家育成に取り組んでいきます。
「人」にフォーカスする
場を創るにしても、専門家の育成にしても、そこにいるのは「人」です。ウェブを「創る」のも、「使う」のも「人」です。
Cocktailzでは、「人」にフォーカスして活動していきます。
カクテルのようなウェブサイトが1つでも増えることを願って。