JIS X 8341-3:2010ファーストレビュー(2)

2010.08.21

昨日改正・公示されたJIS X 8341-3:2010

今日は改正JISを特徴付ける2つ目のキーワード「テスト可能」についてお話します。

テスト可能 – 要件を満たしているか検証できるように

2004年版のJISには、次のような要件がありました。

5.5.c) 画像などの背景色と前景色とには、十分なコントラストを取り、識別しやすい配色にすることが望ましい。

しかしここで素朴な疑問。「十分なコントラストって?」「識別しやすい配色ってどうすればいいの?」

このような表現では、具体的にどのように対応すればよいのか、また対応した結果をどのように検証すればよいのかが曖昧になっていました。

そこで、このような曖昧な表現をなくして具体的にし、各要件をクリアできているかを(ツールや人の手を使って)テストできるような規格作りが進められました。この「テスト可能」の考え方も、JISより先に改訂が進められたWCAG2.0から踏襲されたものです。

上に挙げたコントラストに関する要件は、JIS X 8341-3:2010では次のように規定されています。

7.1.4.3 最低限のコントラストに関する達成基準
テキスト及び画像化された文字の視覚的な表現には、少なくとも4.5:1のコントラスト比がなければならない。(以下略)

7.1.4.6 より十分なコントラストに関する達成基準
テキスト及び画像化された文字の視覚的な表現には、少なくとも7:1のコントラスト比がなければならない。(以下略)

「コントラスト比」の意味や計算方法も規格票の中で説明されていますので、上のような記述であれば、何をすればいいのかはっきりしています。また、行った対応が要件を満たしているかを検証することも可能です。

JIS X 8341-3:2010の箇条7すべての要件は、客観的にテストできるようになっています。また、箇条8では、具体的な試験の進め方や試験結果の表示方法についても解説されています。

明日は、「アクセシビリティサポーテッド」についてお話します。

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