iPadの可能性

2011.04.10

ここ半年ほど、iPadを使っています。きっかけは今年1月に行ったUSTREAMイベント「見えない・見えにくい人にも”iPhone(アイフォーン)” や “iPad(アイパッド)” は使えるの?実際にやってみよう!」で発表をするために、弱視の人にとってiPadがどの程度使えるのか、iPadによって便利になることは何かについて調べたことでした。

イベントの後もiPadを使い続けていますが、今回のViewpointは、iPadを使っていく中で便利だなと感じたことをお話します。

外出先で地図が見られるのはとても便利

おでかけーウェブで便利になったこと(1)」でも書いているように、ウェブを使うようになって外出がとても楽になりました。iPadの登場によって、さらに便利になったと感じています。私はほぼ毎日1人で外出します。打ち合わせや勉強会、飲み会、ライブなどなど、目的は様々です。当然初めて行くところもあります。

初めて行くところについてはこれまで、事前に準備をしていました。駅探で最寄り駅までの行き方を調べ、Google Mapsで道順を確認し、それを印刷して持ち歩いていました。しかし、調べた道順を忘れてしまったり、目印がうまく見つからなかったりして、目的地へたどり着くのに時間がかかることもしばしば。

初めて行くところについてはこれまで、事前に準備をしていました。駅探で最寄り駅までの行き方を調べ、Google Mapsで道順を確認し、それを印刷して持ち歩いていました。しかし、調べた道順を忘れてしまったり、目印がうまく見つからなかったりして、目的地へたどり着くのに時間がかかることもしばしば。

iPadを使うとこの問題はある程度解消され、迷うことが少なくなりました。駅を降りたところでマップを開いて目的地までの道順を確認する。忘れたらマップをサッ、目印が見つからないときもマップをササッ。どうしてもわからなくて人に聞くときもマップでサササッ。ピンチで縮尺も自由自在。ねぇボブ、すごいでしょ?(海外通販番組風)

おっと、脱線してしまいました。とにかくこのように、外出先で地図が見られるというのはとても便利です。

寝転がって本が読める電子書籍

読書。これは弱視者にとってなかなかハードルが高いものです。点字や音声に翻訳された本は点字図書館やボランティアによって作成されていますが、弱視者にとって読みやすい「拡大図書」というのはとても数が少ないのです。私は普段、拡大読書器という機械を使って本を読んでいますが、これを使うと仕事や勉強をしているような気持ちになり、気軽に手軽に読書を楽しむ、というのには程遠い状況でした。

しかしiPadはこの状況も変えてくれました。iPadを使うことで、さまざまな電子書籍ビューアアプリケーションを用いて本を読めるようになったのです。iPadのアクセシビリティ機能であるズームや色反転機能を用いることで、私の視力でも寝転がって本を読めるんです。またいくつかのビューアアプリに実装されている「フォント選択機能」を使うと、明朝系フォントより読みやすいゴシック系フォントに変更できます。また「縦書き・横書き選択機能」を使うと、縦書きよりも目の移動が少ない横書きで読書ができ、これも便利です。

このようにして、私は寝転がって本を読めるようになりました。今「もしドラ」を読んでいます。

iPad2に期待

しかしちょっと不便だなと感じる点もあります。重さ。弱視の人はiPadを机やひざの上に置いて使うことはありません。片手で持って、目に近づけて操作します。長時間持っていると当然重さが気になります。この点は、日本での発売が待ち遠しいiPad2に期待しています。

iPadのようなタブレット端末、あるいはiPhoneのようなスマートフォンは今年になって本格的に広まっていっています。弱視者にとってどんな使い方が便利なのか、生活をどのように変えていくのか、今後も追いかけていきたいと思います。

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